アニメ『魔法陣グルグル』第1話 新旧見比べ

先日より放送が始まったアニメ『魔法陣グルグル』。

「ニケとククリ、二人の出会いから」という宣言の通り、3期 (2017) は1期ですでにやった部分も含めて再アニメ化されている。

そもそも1期の段階で漫画は妖精の村、2期の段階でアラハビカまでしか進んでおらず、3期にしてようやく完結後のアニメ化となった。1からスタートするにあたって3期ではラストや続編を踏まえた上で設定の整理や伏線の張り直し、ミスの修正などが随所に見られる。

そうした事情も踏まえて、今回は漫画と3期と1期を比較してみようと思う。

 

冒頭

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アニメ1期ではオリジナル展開として幻獣についての解説*1があったが、3期では削除。そもそも漫画でも冒頭で触れられるのみで、特に話に絡んでこない*2ので内容自体が差し替え。ちなみに3期では闇魔法結社で信者から語られる話に似たものになっている。

このように3期では複合させることで要素自体は残しつつもテンポアップを図っているシーンが幾つかある。

 

冒頭2

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1期だと普通にアニメ絵だったが、3期ではドラクエ風のドット絵に変更。25年前はSFC全盛期だったためストーリーのみでドラクエベースであることが分かるものの、今は西洋ファンタジー作品が大量にあるので、ドット絵にすることでそこについての補足も兼ねていると思われる。

 

親父を倒すシーン (3期オリジナル) とゲイルを倒すシーン

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画像はどちらも3期のもの。親父を倒すのは漫画にも1期にも無いシーン。

漫画や1期だとここで親父がニケに行った修行が語られ、お城でゲイルを倒すシーンの伏線になっているのだがテンポアップのために回想は省略。

3期ではゲイルを倒すシーンと同じ動作を親父に行うことで、日常的に修行 (のような何か) が行われていることを具他的に明示している。

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ニケが旅立つシーン

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巨大パチンコは3期オリジナルだが、漫画でも飛ばされて旅立つので要素は残しつつもテンポアップに活用している。*3

漫画だとこのあと村の少年にオババのことが語られるが、妖怪ババアであることは見た目に明らかなためか説明するシーンは省略。ちなみに1期ではオババが冒頭でニケたちに紙芝居を読むため初対面では無い。

 

 ニケとククリの出会い

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3期ではパチンコで吹っ飛ばされたため、窓から家に突っ込む形で出会う。

 

魔法陣グルグルでは「扉を開ける」ということが重要な行為として度々登場する。

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1期OP『MAGIC OF LOVE』の歌詞「知らないことだらけの扉が開いてしまったの」

 

1期劇場版主題歌『金のトビラ』

 

2期OP『ダイナマイトヘブン』の歌詞「楽勝でこじ開けた金の扉」

 

3期OP『Trip Trip Trip』の歌詞「でもわたし信じてたの いつか必ず出会う この扉そっと開けて」

イルクとのエピソードでも語られるようにククリは外に出ることができなかったため、外に連れ出す存在としてのニケ(≠勇者)という立ち位置を明確にするための改変であると思われる。*4

 

1期では2人が旅立って1話が終了だが、3期はここで1/3が終わった段階。 

 

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移動シーンもドラクエ風。漫画だと冒頭に「都からはるか西」とあるけどどう見ても南。

2話冒頭で「あっというま」「近いからいいの」とも語られているので、ある意味原作通り。 

 

観光記念の落書きシーンがカット

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観光記念の落書きを行うシーンは3期ではカットされている。倫理的な問題というのもそうだが、1コマだけで本筋に関わってこないからだと思われる。

このように、3期では本筋に絡まないギャグや時事ネタを中心に幾つかのシーンがカットされている。

 

 

村人を助けるシーン

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既知のファン向けのサービスも兼ねてか、町長がキタキタおやじに変更。

1期では「ずいぶん楽しそうですね」という2コマネタを膨らませていたため奇怪な動きをする町長になっていたが、おやじに変更したことでより分かりやすい形に。(そりゃキタキタおやじならこの状況でも踊るよね)

ちなみに上記の通り漫画だと2コマのネタなので、おそらく1期をベースとしたオマージュ。

 

カセギを倒すシーン

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3期は包み込むというより、火炎魔法としての面が強調されている感じ。

 

ニケがトドメをさすシーン (3期オリジナル) 

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3期オリジナルのシーン。

漫画と1期ではトカゲのしっぽのみでカセギを倒していたが、ククリとニケの連携で倒すことで関係が対等であるということを表しているのかもしれない。

 

倒した後

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1期OP1『MAGIC OF LOVE』のオマージュ。(右の画像がOP)

ちなみに1期のこのシーンは↓のように漫画とほぼ同じポーズである。

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3期はキタの町に行く道中で1話目が終了。1期だと3話の途中までの内容になっている。 

 

OP

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1期OP1『MAGIC OF LOVE』のオマージュ。

 

ED

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ニケとククリの2人は新装版の表紙と同じポーズ。

 

*1:「空を飛びながら 
目から石化光線を出し 
口から火を吐き 鼻から毒ガスを吹きながら 
100本の手で人間を殴り 
200本の足で地割れを起こし 
尻尾からご飯のまずくなる光線を出しながら 
お尻からはつねに屁をこき続ける 
という恐ろしいものであった」

*2:おそらくグルグルで生み出されたヘンテコなものが伝説となったと思われる。

*3:ちなみに兜を被るシーンはぷちアニメ劇場の方で補完されているが、2週間限定のため現在1話はBD・DVDでしか見れない。ニコニコに上がっているけどね

*4:光の者と闇の者の対比でもあるのかもしれない